2025年。日本の女性たちは、ただ流行を追うのではなく、「どんな自分でいたいか」「どんなふうに毎日を歩きたいか」を軸に、足元と向き合い始めています。ヒールの高さやブランド名ではなく、履いた瞬間の心地よさや、自分らしくいられる自然体の美しさこそが、本当の価値として選ばれているのです。

l’aiseでは、2025年に多くの女性たちが静かに“卒業”した靴と、その背景。そして、新たに支持を集めている靴の特徴について、丁寧に紐解いていきます。

1. 時代の足音は、足元に宿る

数あるファッションアイテムの中でも、靴はとりわけ「その人の生き方」が顕れる存在です。2025年の今、日本の女性たちが靴に求めるものには、明らかな変化が訪れています。

「痛みを我慢してでも、美しく見られたい」という美意識から、今は「快適で、自分らしくいられること」が優先されるように。在宅勤務やワークスタイルの多様化、子育てとの両立、身体への配慮など、ライフステージに寄り添う靴選びが注目されています。

SNSでは「ヒールをやめてから、自然と姿勢が整った」「1日中歩いても疲れない靴に出会って、人生が変わった」という声が多く見られます。高層ビルで働くキャリアウーマンも、街を軽やかに歩くママも、自由な感性で服を楽しむ女性も──今、誰もが「無理のない美しさ」を選び始めているのです。

2. 2025年、静かに手放された一足たち

ピンヒールの人気が急落

かつては“女性らしさの象徴”とされ、ビジネスからパーティーシーンまで幅広く使われてきたピンヒール。しかし、2025年に入ってからはその姿を街中で見かけることが減りつつあります。

理由は明快です。長時間の使用における疲労感、足腰への負担、転倒リスク、そして何よりも「無理をしてまで履く必要があるのか？」という疑問が、多くの女性たちの中で芽生え始めたから。ヒールを手放した人たちからは、「気持ちまで軽くなった」「ヒールがなくても自信を持てるようになった」といった声が聞かれます。

洗練されたデザインでも、足元に痛みが伴う靴は、今や選ばれない時代へと移り変わりつつあります。

厚底スニーカー・ラグソールの卒業

一時はファッションの主役だった厚底スニーカーや、重厚感のあるラグソールローファーも、2025年には“卒業候補”の筆頭に挙げられています。確かに、その存在感は抜群。しかし、「重たくて歩きにくい」「コーディネートが限られる」「カジュアル過ぎて場面を選ぶ」といった理由で、次第に出番が減ってきたようです。

特に大人の女性にとっては、「気取らず、でも品がある」靴こそが今求められるもの。厚底の主張を抑え、もっと軽やかで、どんな服にも調和する靴が選ばれ始めています。

過度に尖ったポインテッドトゥの卒業

さらに、ポインテッドトゥの中でもとくに尖ったラインの靴も、多くの女性が「もう履かない」と選ばなくなっている傾向です。先端が細く窮屈に感じると、足の形を無理に変形させることもあり、疲れや痛みの原因に。

また、オフィススタイルでは“古臭さ”を感じさせることもあり、シルエット的にも今の時代には少し違和感があるとされています。これに変わって支持されているのが、「スクエアトゥ」や「ラウンドトゥ」といった、足先にゆとりのある形状。

足が痛くならず、長時間快適に過ごせるうえに、自然なスタイル美を演出できるという点で支持が高まっています。

3. 無理をしない美しさという選択

“痛い靴”が選ばれなくなった

2025年の女性たちは、もはや「ヒールを履いている自分が美しい」とは限らないことを知っています。
むしろ、「快適で、自分らしく歩けることこそが美しさ」という新しい感覚を手に入れているのです。
オフィスでも、休日でも、子どもと過ごす時間でも。どんな場面でも“私らしさ”を優先したいという想いは、靴にも表れます。
見た目だけを取り繕うのではなく、心から心地よく過ごせる選択こそが、長く続くエレガンスをつくるのです。

実際、「ヒールをやめてから自分の歩き方が好きになった」「足の形が整ってきた」など、“無理をやめた先の変化”に感動する声も多く聞かれます。
今は、履いていて自然体でいられる靴こそが、“私を満たす一足”として選ばれているのです。

私たちは、どこかで「頑張る姿」や「我慢をしている自分」に価値を見出そうとしていたのかもしれません。けれど今の時代は、“心地よさを大切にする姿勢そのものが、凛とした美しさ”へと変わりつつあります。
それは決して甘えや妥協ではなく、むしろ自分自身と真剣に向き合う、静かな強さなのです

日常が多様化した今、「1足で何役もこなせる」靴が求められる

現代の女性の一日は、実に多面的です。仕事・家事・育児・自分時間。切り替えが早い日々のなかで、靴にも“対応力”が求められるようになりました。

だからこそ今、多くの女性が求めているのは、“見た目も美しく、実用性も高い靴”です。朝は通勤に、昼はオフィスや出先で、夕方は子どもと公園へ、そして夜はちょっとした外食にもなじむ一足。そうした“暮らしに寄り添うシューズ”が、ファッションの主役になりつつあります。

また、ファッションそのものも、以前に比べてずっと自由になりました。カジュアルな装いにローファーを合わせたり、ワイドパンツにスクエアトゥを合わせたり。
「きちんと感」よりも「こなれ感」が重視されるようになった今、靴の“柔軟さ”が装い全体の印象を左右するのです。

まさに今選ばれている靴は、機能性・美しさ・スタイリングの自由度という3つの要素をすべて備えた存在。そんなバランス感覚のある一足が、これからの私たちの「ベーシック」になっていくのでしょう。

4. 今、選ばれている靴の特徴とは？

2025年の靴選びは、トレンドだけでなく“日常をどう過ごしたいか”が指針になっています。 多くの女性が選んでいる靴には、以下のような共通点が見られます：

1. 洗練されたシルエット

まず大きなポイントは、「足元の印象が全体のスタイルを決める」という意識が広まっていることです。特に人気なのは、スクエアトゥやソフトラウンドトゥなど、適度に抜け感がありながらもフォルムに品があるデザイン。足先に無理がなく、自然な立ち姿を演出してくれます。l’aiseでは、この“洗練されたシルエット”を重視し、歩いたときのフォルムまで美しく見えるよう設計されています。

横から見たときのアーチ、足首とのバランス、靴の開き具合など、細部にまでこだわることで、ヒールがなくてもエレガントな印象を実現できるのです。「シンプルだけど手抜きに見えない」「履くだけで姿勢が良くなる」——そんな声が寄せられるのは、見た目だけでなく“履いたときの自分の気分”まで整えてくれる靴だからこそ。

2. 上質な素材感

もうひとつの選ばれる理由は、素材の質感です。肌に触れたときのやさしさ、長時間履いたときの軽さ、経年変化による味わい──それらすべてが、現代女性の靴選びにおいて大切な要素となっています。たとえば：

• マットなスエード素材：柔らかく肌になじみやすく、秋冬には温かみも演出。きれいめにもナチュラルにも応用できる。
• シボ感のあるレザー：程よい重厚感がありながら、足元に洗練された落ち着きを与える。通年人気の定番。
• 軽量なエコレザー：ヴィーガンレザーの中でも質の高いものが支持され、環境配慮や動物愛護の観点からも選ぶ方が増えています。

素材の選択ひとつで、靴の印象は一気に変わります。「触れるたびに好きになれる素材」という視点が、今のトレンドなのです。

3. ニュアンスカラーの展開

カラーも、いまや“主張の強いもの”から“馴染む美しさ”へとシフトしています。人気なのは、以下のような落ち着いたニュアンスカラー：

• グレージュ
• トープ
• アイボリー
• ミッドナイトブルー
• スモーキーピンク

これらの色は、ベーシックな服装との相性が抜群で、全体を優しく引き締める効果も期待できます。また、白や黒といった定番色では出せない、「柔らかな女性らしさ」を表現できるのも魅力です。「主張しすぎないけれど、確かな存在感がある」——それが、今の日本女性たちが求めている色選びの本質なのかもしれません。

4. 汎用性の高さ

そして何より重要なのが、“使い回せること”。忙しい毎日の中で、「今日はこの靴、明日はあれ」といった切り替えを求められるよりも、1足で幅広いシーンをカバーできることが重視され始めています。

• 通勤スタイルにきちんと感を添える
• 休日のカフェにもリラックス感を保ったままなじむ
• 急な打ち合わせやランチにもスマートに対応
• 旅行や長距離移動でも疲れにくい設計

こうした“万能性”は、特別なデザインである必要はありません。むしろ、シンプルなラインと心地よいフィット感があれば、どんな場面でも自然体でいられるのです。「迷ったらこれ」という一足が、私たちの味方になってくれる時代が来ています。